ニュースで見かける「マルサ」って一体何者!? なんでそんなに恐れられているの?

調査機関として有名なマルサ。大型脱税のニュースなどで、「マルサ」という言葉を見たことがある方もいることでしょう。一体、どんな人たちなのでしょうか。税務調査、夜職と税務調査など税務調査についてのアレコレも交えて、お話ししていきます。

そもそも「マルサ」とは一体な~に!?

■ニュースなどでよく見る「マルサ」とは

ちょっと古い映画ですが『マルサの女』で一躍有名になったマルサという職業。国税局査察部、査察課を指す隠語です。

略称として「査」の字を丸で囲んで表記したため、マルサと呼ばれるようになったといいます。簡単に言えば、国税の調査の中でも特別な案件を扱う調査官ということになります。

国税の徴税について調査する部署は、一般の税務署、国税局、国税査察部(マルサ)に分けられます。

税務署が行うのが一般的な税務調査、国税局が行うのが規模の大きい調査や全国範囲の調査となります。対して、マルサの調査は査察調査と呼ばれ、脱税者の摘発を目的とした犯罪捜査となります。

調査方法の大きな違いの一つとして、税務調査が調査対象者の同意を前提として任意調査であるのに対して、マルサの調査は強制捜査です。

税務調査が基本的には事前連絡後に行われるのに対して、マルサの調査は(調査対象者側から見れば)突然に行われます。裁判所から捜査令状を取っているので、調査対象者の同意なしに事務所の強制捜査を行うことができるのです。通常1ヶ月から数ヶ月の内偵調査後に強制捜査が行われますが、大きな事件だと、内偵調査に1年以上かける場合もあります。

【補足ポイント 国税と地方税の違い】

日本の税金は、国が徴収する国税と、都道府県や市町村などの地方自治体(地方公共団体)が徴収する地方税とがあります。

日常的によく耳にするのは、次の税金ではないでしょうか。

国税…所得税、法人税、消費税など

地方税…都民税や県民税、市民税などのいわゆる住民税

上記は一般的なものですが、実は、その他にもそれぞれ多くの税金があります。自動車税や相続税などは聞いたことがあるのではないでしょうか。

使い道としては主には、国税は社会保障費、公共事業費、教育、防衛、交通、宇宙開発など国全体のものに。地方税は、消防、救急、ごみ処理など生活に関わる部分に使われます。

恐ろしくも興味深いマルサの活躍は!?

■マルサの実績

今年発表された、令和6年度(2024年4~2025年3月まで)の1年間にマルサが調査し、検察庁に刑事事件として告発した事件は98件でした。

ちなみに、査察調査案件が全て告発されるわけではなく、検察庁に告発される割合は例年60%~70%ほどです。

脱税総額は約82億3000万円。とてつもない額ですが、これでも昨年よりは7億円ほど減っているとのこと。

面白い事案では、物置の中の金庫から、所得隠しのための現金7億3000万円が見つかった事件もあったといいます。自宅に7億円ものお金を隠し持っているというのは、どんな気分なのでしょうか。

近年の事件の傾向としては、輸出品の消費税免税制度を悪用するなどした「消費税の還付の不正受給」が増えているとのことです。

今期は17件に及び、類型事件としては過去最高の件数とのことです。

■最近の大型脱税事件

最近の大型脱性事件についてみてみましょう。

2025年6月、架空の業務委託費を計上するなどの手口で、3年間の間に2億8,900万円の所得を隠し、法人税など7,400万円を脱税したとして、仙台市の太陽光発電システム販売会社の社長と経理、大阪国税局の元職員が逮捕されましています。脱税スキームを指南したのは、国税局の元職員とみられており、当元職員は別件の脱税事件でも起訴されているといいます。

国税局の元職員が関わっているということで、社会的にみても大きな事件です。まだ細かい事件の内容は明らかにされていませんが、内部事情を知った元職員が綿密に考えたスキームであっても、国税調査・国税監査の目を逃れることは難しいということが分かります。

■一般的な税務調査

ニュースなどになりやすい、マルサの査察調査と大型脱税事件についてお話ししましたが、我々が関わる可能性が高いのは、マルサではなく各税務署による税務調査です。

一般的な税務調査は、いきなり強制捜査されるといったことはもちろんなく、前述のとおり任意調査です。任意調査と聞くと「では調査を拒否してもいいの!?」と思われる方がいらっしゃいますが、それは間違い。任意調査を拒否すると、最終的には罰則を受けることになります。

税務調査が行われる流れは、「事前通知 → 調査実施日の決定 → 調査 → 指摘・回答 → 調査結果」となります。

できるだけつつがなく終わらせるためには、事前通知が来た時点で信頼できる税理士に相談するなどして、どれだけ素早くきちんと対応の準備ができるかがポイントとなります。

■税務調査が入らないようにするために

100%税務調査が来ないようにする対策というものはありません。平均すると、企業や事業主が税務調査を受ける確率は、平均30年に1回ほどと言われています。入りやすさには、業種や収入等によって異なりますので、きちんと対策をしていれば、人生に一度も税務調査が来ないで済む可能性が高いです。

税務調査対策として最も大切なのは、やはり税務申告をきちんとすること。個人でしてもよいですが、やはり税理士が入っているかどうかで税務調査の貼りやすさは異なってきます。税理士は、申告手続きだけではなく、税理上の相談に乗ってくれる場合もありますので、一定以上の売り上げがある場合は、顧問税理士をつけるのがオススメです。

■夜職と税務調査

ホストやキャバクラなどのナイトワークは、所得の申告漏れが多いとされており、かなり税務調査が入りやすい職種だといえます。

SNSなどでの営業用の発信が多いのも、目をつけられやすい要因のひとつです。指名のお客様が高額のボトルを開けたり、バースデーイベントがあったりといったSNS上の情報から、所得の推測を行うといったことも行なわれています。

また同業店、同業者同士の競争も多い業種ですので、外部内部問わず密告からの調査も珍しくありません。

税務調査が入り、不正や脱税が発覚した場合、罰金などの金銭的な問題にとどまらず、仕事を続けることができなくなるといったケースもあります。

自分の身と仕事を守るためにも、きちんとした税務対策が大切となります。

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