「税金って高いなあ」「儲けるほど税金を取られるようで、やる気なくなっちゃうよ」などという声を耳にします。
確かに、一生懸命働いたお金を徴税されると、不満な気持ちも出てくるかもしれません。
しかし、そもそも税金とは、私たちの社会を成り立たせるために集まられているものです。
税金がどのように使われているのかを知っておけば、必要以上に取られているのではないかという不満も少なくなるかもしれません。
今回は、税金の使われ方についてお話ししたいと思います。

税金はどのように使われている!?
税金を集めているのは「国」と「地方」
私たちが収めている税金。
実は、「税金」と一言で言っても収める場所は1つではありません。
なんとなく、「国とかそういうところに流れてるんでしょ!?」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、税金を集めているのは、大きく分けて「国」と「地方」です。
国が集める税金を「国税(中央税)」、都道府県や市町村といった地方が集める税金を「地方税」と言います。
基本原則として、国税は国の体制を維持し、地方税は、都民税ならば東京都といった各地方自治体のために使われます。
税金の主な使い道はインフラ
税金の主な使い道は、各インフラの整備と運営です。
政府、各省庁、自衛隊、警察、消防、橋や道路、上下水道、ゴミ処理、国公立教育機関、公的医療などです。
議員や公務員をはじめ、国や地方自治体で働く人々の給与も税金から払われています。
私たちの生活を支えるインフラのかなりの部分が税金で賄われているのが分かります。
国税の使い先1位は「社会保障」
国税の使われ方をジャンルごとの割合で見てみましょう。
国税において、まず最も多く使われているのは、医療、年金、福祉、介護などの社会保障関係費です。少子高齢化によって社会保障費の膨らみが社会問題となって久しく、支出が税収の枠を超え借金で補っている状態で、いまだ解決策が見えていません。
次に多いのが、国債の利子と返済にあたる国債費です。
いわゆる国の借金の返済です。
国債はここ数十年、加速度的に増えており、日本経済の大きな問題点の一つとされております。
1位の社会保障費と国債費で、国税の半分を占めます。
これは耳慣れない言葉かもしれません。
地方交付金とは、地方間の財源格差を調整するための費用です。
簡単に言うと、都会と地方でも一定レベルの公的サービスが受けることができるようにするためのお金です。
3位以下は、防衛費、公共事業費、教育・科学研究開発などが続きます。
地方税で最も多く使われているのが、都道府県では、公営住宅の管理などの特別会計です。
その他、大きなものとしては、福祉・保健関連、教育・文化関連、警察・消防関連、都市整備、上下水道などです。
このように税金の使われ方を大まかに見てみると、我々の生活と、我々の社会と密接に結びついているのが分かるかと思います。

日本と世界の税の違い
日本は税金が高いって本当!?
よく「日本は税金が高い」という不満の声を聞きますが、世界各国と比べて、日本の税金は高いのでしょうか。
まず社会の中で税金というシステムが大きな役割を持つのは、資本主義国家です。
共産・社会主義国では、企業をはじめ社会の大部分が国営のため、税金の役割はかなり低くなります。
資本主義国のなかで、税金と社会保障費の国民負担率をみると、日本は50%弱であり、真ん中より少し下といったあたり。
決して高い部類ではありません。
国民負担率が高い国は、80%を超えるルクセンブルクを筆頭に、フランス、デンマーク、ベルギー、イタリア、フィンランドなど欧州諸国が続きます。
国民負担率が低い国は、20%台のチリ、メキシコ、30%台のアメリカなどです。
日本は税負担と給付のバランスが比較的良い国
国民負担率が高い国は、医療費や教育費が完全無料であったりと医療福祉費用の国民負担率が低い傾向にあり、逆に国民負担率が低い国は、その逆である傾向があります。
デンマークなどは、教育費、医療が基本的に無料ですが、その分、消費税は25%と日本の倍以上!!
欧米の中でアメリカの国民負担率が低いのは、自由と個人主義をモットーとする文化であることが大きいです。
税金が高いかどうかは、単に国民負担率の高さではなく、社会保障や教育などのインフラとのバランスによるということになります。
税負担と給付のバランスということです。
そう言った意味では、世界高水準の社会保障制度を持ち、教育費の負担率も世界水準的に高くない日本は、負担と給付のバランスが比較的よい国であると言えます。

税に対する意見をご紹介
税負担のメリットを感じられていない日本人
先に述べましたように、日本人は税金を高いと感じていることが多いようです。
アンケートデータによると、約6割の日本人が税金が高いと感じているという結果があります。
日本では、税負担のメリットを低く捉えられているというのが現状です。
また日本の税制は、世界水準から見ても所得税や相続税に対する累進課税率が高く、つまり、格差対策をしている税制度だと言えます。
しかし、世間では、日本の税システムは金持ちを優遇して庶民を締め付けるというイメージが強くあります。
これはメディアの報道や税の教育不足などが影響している一面もあるでしょう。
日本の税に対しては、世代、収入、資産、地域などによって、意見にかなり大きなバラツキがあるのが現状です。
2022年度から高校で金融教育が義務化され、お金について子供達が学ぶ機会が増えてきています。
現在の大人世代はお金について学校教育の中で学んできていません。今の子供達が大人になる頃には、税に対する考え方も大きく変わっていくかもしれませんね。
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