『遺言書ってドラマでは見るけど実際書く人いるの!? 』【シリーズ相続税④】

相続税シリーズ「相続税について」いよいよ第4回目の「遺言書」の回になりました。

サスペンスドラマなどでは遺言書をめぐって事件が起こる、などというストーリーがよくありますが、現実の人生で遺言書に接する機会というのはあまりないかもしれません。

というわけで、今回は、遺言書の登場に動揺しないためにも、遺言書の基本的な知識を学んでおきましょう!!


遺言書は何のためにある!?

実際に遺言書を書く人っているの!?

日本では相続時に遺言書が関わるのは、全体の1割未満だとされています。

しかし、近年徐々に増えているというデータもあります。

法定相続の部分では、あらゆるケースに関してあらかじめ取り決めがされており、どんなに複雑な相続でも一定のルールに基づいて行われます。

しかし、遺言書は常にイレギュラーであるため、相続の際に混乱を引き起こしがちです。

遺言書を書く目的とは

そもそも遺言書とは何のためにあるものなのでしょうか。

一般的に相続において遺言書があるケースは多くありません。

あえて遺言書を残すということは、特別な理由がある場合ということです。

遺言書の目的は、一般的な法定相続以外の財産分割を指定することです。

多くは、法定相続分として決まっている配分とは異なる配分の指定、法定相続人以外の人に財産を贈るといった場合に遺言書が書かれることとなります。

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遺言書豆知識 「遺言書の読み方」

遺言書には「ゆいごんしょ」と「いごんしょ」との二つの読み方があります。

一般的に会話の中では「ゆいごんしょ」と呼ばれていますので、「いごんしょ?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、法廷の場などで用いる場合は「いごんしょ」が正式な読み方です。

では、意味は違うのでしょうか。実は、「ゆいごんしょ」と「いごんしょ」では厳密には意味合いが異なってくるのです。

「ゆいごんしょ」は故人が残した言葉という意味全般を持ち、「ゆいごんしょ」という全体的な意味合いの中に、法的効力を持つ部分として「いごんしょ」の要素が含まれているということになります。

遺言書豆知識「遺書との違い」

自分の死後に残す文には「遺言」のほかに「遺書」もあります。遺書は遺言(ゆいごん)の中に含まれますが、心情を伝えるメッセージであり、法的な力は持ちません。同じジャンルのものにエンディングノート、ビデオメッセージ、残された人への手紙などがあります。

遺言書は3種類ある!!

遺言書の種類とは!?

サスペンスドラマでは、亡くなった人の引き出しから遺言書が見つかるパターンがよく見られます。

これは、遺言書の中でも「自筆証書遺言」というもの。

遺言書は、この「自筆証書遺言」だけでなく、3種類があるのです。

通常用いられる普通方式と呼ばれる遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」があります。

どういうものか説明していきましょう。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、全てを遺言者本人が自筆で書く遺言書です。

自分自身で作るため、費用がかからず、いつでも修正できるという気軽さがあります。

パソコンなどで作った文書は認められず、手書きのみ有効となります。

専門家の手が加わっていないため、形式、内容の不備により無効になってしまうケースも少なくありません。

自宅で保管することもできますが、紛失してしまったり、自分の死後、改竄や隠匿をされる危険性が生じます。

遺言書豆知識

自筆証書遺言書保管制度

自筆証書遺言を法務局で保管してもらう自筆証書遺言書保管制度を利用することもできます。

法務局にて形式などを確認してくれるため、形式不備による無効の可能性を低減することができます(法務局が確認するのは形式のみであり、内容の不備については確認されません)。

遺言者の死後、指定された相続人に遺言書が保管されている事実が通知されます。

公正証書遺言

公証役場で作成する遺言書です。

遺言人が口頭で述べた内容を、2人以上の公証人(公証証書の作成などを行う公務員)が立会いのもとで文書として作成します。自筆である必要はありません。

作成後、原本は公証役場で保管されます。

紛失、偽造などのリスクが低く、公的文書と作成されるため、有効性・信頼性の高い遺言書となります。

作成の際は、公証役場へ直接依頼することもできますし、弁護士など専門家を介して作成手続きを進めることも可能です。

遺言者自身が正本を保管していますが、見落とす場合もあります。

死亡時の公証役場からの通知はないため、公正証書遺言の有無は、相続人が公証役場検索システムにて検索する必要があります。

秘密証書遺言

内容は秘密にしたいが、遺言書の存在の公式な証明がほしいといった場合に利用される遺言書です。手書きである必要はなく、パソコンや筆者として申し立てれば代筆での作成も可能です。

公証役場にて公証人と証人の各2名に、作成し封印した遺言書を提出し、遺言書であることの証明をもらいます。

遺言書は持ち帰り、遺言人が自分で保管します。紛失、改竄、隠匿などのリスクは生じます。

自筆証書遺言や公正証書遺言に対するメリットが少ないため、現在では利用者は減少傾向にあります。

特別方式遺言

さらに、死期が迫っているなどの緊急時や、環境によって普通方式に遺言書が作成できない特別な状況下では、「危急時遺言」「隔絶地遺言」という、特別方式遺言が認められるケースがあります。

緊急時遺言には、病気や怪我などで死が迫っている際の一般危急時遺言と、船、飛行機などでの遭難で命の危険が迫る際の難船危急時遺言があります。

どちらも規定の証人の立ち合い、口述、筆記と、速やかな家庭裁判所への確認の申立てが必要とされます。

※特別方式遺言には有効期限があり、遺言者が普通方式の遺言書を作成できる状態に戻ってから6ヶ月生存した時点で無効になります。

今回は、遺言書の目的や種類など基本的な仕様についてお話しいたしました。

遺言書に関しては、今後も当シリーズで触れることも多いかと思います。

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