2025年10月から、生活保護費の生活扶助が現在の特例加算の月額1000円にプラスされ、さらに500円アップされました。
不正受給問題をはじめとして、社会的に話題になることの多い生活保護ですが、その実情に関しては、自分には無関係なものと考えている方が多いようです。
しかし、ナイトワーク業界では業務委託契約で働く方も多く、体を壊すなどして働けなくなった場合に保証がありません。
もし働くことができなくなってしまったとき、最低限の生活の支えとなるのが生活保護制度です。実際、肝臓を壊して療養後に、一時的に生活保護を受給するホストもいます。
ナイトワーク業界と生活保護は、さほど遠くないところにあったりするのです。

生活保護って、そもそもどんな制度!?
■生活保護は保障された権利
生活保護とは、日本国民が最低限度の自立した生活を送るために日本の国が援助をする制度です。
受給には一定の条件がありますが、その下で生活保護を受けることは、決して恥ずかしいことではありません。我々日本国民に保障された権利なのです。
■生活保護を受給できる条件は?
どれくらいの状況になったら生活保護を受けることができるのでしょうか。
答えは、資産や能力を最大限に活用しても、国が定める最低生活費に満たない状態というのが基準です。
この最低生活費は、家族の人数、住んでいる地域、年齢などによって変わります。
ちなみに一人暮らしの人が生活保護を受給する場合、生活扶助基準額と住宅扶助基準額を合わせて10~13万程度が援助されます。世帯人数が1人増えるごとに3~4万円程度が加算されていくのが平均的です。
「実家にはお金があるけれど折り合いが悪く頼ることができない。だから、生活保護の申請ができない」このように思っている方も多いようです。
生活保護は他の選択肢がない場合に使うことができる制度とされており、親をはじめ頼れる親族がいる場合は、そこからの援助を優先するべきとされています。
生活保護が申請されると、親や親族に扶養できるかどうか、扶養する意思があるかどうかを確認する扶養照会が送られます。その結果、親族に一定の資産があると、受給資格がないと判断されることも少なくありません。
しかし中には、実家で虐待があったり、長い間絶縁状態であるなどにより、扶養照会自体をしてほしくないという方もいます。
そういったケースでは、扶養紹介を免除される場合もあります。自己判断せずに、窓口できちんと状況を説明して相談してみましょう。
家の所有は資産と判断されるため、持ち家がある場合には基本的に受給対象外となります。売却して賃貸に引っ越して、売却金を生活費に充てることを勧められる場合もあります。
賃貸への住み替えができない理由があったり、持ち家の資産価値が低いなどの場合には、例外的に家の所有が認められる場合もあります。住宅ローン完済していており、住居として利用しているなどの条件が必要となります。
しかし、全生活保護者の持ち家所有率は3%ほどであり、現実的にかなり難しいといえます。
「生活に車が必要だから、車は手放せない。だから生活保護を申請できないのではないか」
という質問を受けることが度々あります。
生活保護は、資産を所有していないことが原則条件となりますので、基本的に車の所持は認められていません。
しかし、例外は少なからずあります。例えば、「事業で使用しているため手放せない」「通勤・通院・子供の保育園の送迎などに使用しており、さらに電車やバスといった公共機関を全く使えない」といった場合では、例外的に認められるケースもあります。
尚、生活保護が一時的で長期化しないと判断され、社会復帰に必要とされた場合には認められるケースが多いようです。
原付を含む125cc以下のオートバイに限り、前記の車の所有の条件を満たす場合に、所有が認められる場合があります。
銀行口座、手持ちなどを合わせて、最低生活費1ヶ月分に満たないことが条件となります。
現在、エアコン、ストーブ、電子レンジ、冷蔵庫などの家電製品、パソコン、スマホなどの家財道具の所有は認められています。

■生活保護費の内訳を紹介!!
生活保護費は、生活扶助額と住宅扶助額に分けられます。
地域によって差がありますが、1人暮らしの場合で、生活扶助額は6~7万円程度、住宅扶助額は3~5万円程度となります。
ちなみに入金が同時にあるからといって、生活扶助のお金を住宅扶助に回すことは基本的にはできません。生活扶助額、住宅扶助額ともに最低生活費が定められているからです。
そのため、生活保護を受ける場合には決められた条件以上の家賃の物件には住むことができません。それ以上の賃貸家賃の物件に住んでいる場合には、住宅扶助額以下の物件への引越しが求められることになります。
その他、状況によりいくつかの扶助を受けることができます。例えば、次の通り。
・子供の最低限の義務教育を受けるための学用品、教材、給食費の補填などの教育扶助
・病気や怪我などにかかる医療扶助
・介護サービスの利用料などの介助扶助
・出産費用を負担する出産扶助
・身内の葬儀費用の総裁扶助
など

■働いていても受給できる?
無収入でないと生活保護は受けられないと思っている方も少なくないようですが、働いている状態でも収入が最低生活費に満たない場合には受給できます。働いているけれど、生活が苦しい場合には、生活保護を受け取れるかどうかを調べてみましょう。
受給中に収入があった場合は、すべて申請する必要があり、最低生活費から収入額を引いた額が支給されることとなります。
生活保護の受給資格は、その人の能力を全て出しても最低生活費を得られない場合とされています。つまり、生活保護をもらっている期間は、収入を得るために最大限努力をする義務があるということです。「生活保護を受給できたから、もう働かないでいいや!!」ということではありません。
生活保護受給者には、新しい仕事にチャレンジするための技能を学ぶ費用や、仕事に必要な場合の運転免許取得費用を支給する生業扶助もあります。新しいキャリアを踏み出すための足場ともなるのです。
もし、心身の健康を壊してしまって、生活保護を受給することになったら、こういった制度を使ってキャリアチェンジすることも合わせて考えてみましょう。
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